左利きの人は文字が下手だと言われています。
でも、もちろんそんなことはありませんよね。
左利きの人でも、字の上手な方はたくさんいらっしゃいます。
ほとんどの場合、文字を書く時には左から右に書いていきますから、「下手」というよりも、左利きの人は文字が書きにくいというのが正解でしょう。
左利きの人を表すものとして、「ぎっちょ」という言葉があります。
海外に行くと、「サウスポー」とか「グーフィー」という表現がありますね。
そういう言葉が生まれたということは、世界的に見ても左利きは少ないということなんです。
実際に、世界の人たちの85%は「右利き」といわれています。
だから、世界は「右利きに都合が良いように」造られていて、左利きの人は右利きの人にはわからない苦労をしているんです。
そもそも「左利き・右利き」とは?
人にはみんな、「利き手」というものがあります。
文字を書いたり、料理をしたり、お箸を使うときなど、「活動の中心になっている方の手」が利き手ということになります。
実は、なぜ左利きと右利きとに分かれているのかについては色んな説があり、確定していませんが、よく知られているのは、心臓は左側にあるから、本能的に左をかばうという説で、「自然選択説」といわれるものです。
左をかばいたいから、自然と右を使うということですね。
それなのに、なぜ「左利き」が存在するのかということになると、はっきり説明できるものがないそうです。
左利きの人と、右利きの人の染色体にもまったく違いはありませんので、このテーマは、答えが出るまでにまだまだ時間がかかるようです。
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なぜ左利きの人の文字は下手と言われるのか?
左利きの人が文字が下手と言われるのはなぜなんでしょうか?
理由は2つあります。
1つ目は「右利きが多数の世界だから」ということです。
ちょっとここでは、「はさみ」で考えてみます。
幼稚園や小学校で、入園または入学時に購入するはさみは、通常は右利き用です。
世間は右利きが圧倒的に多いため、やはり右利きの人に都合の良いように、環境が配備されているんですね。
左利きの子どもが、右利き用のはさみを使っている動作を見ていると、とても奇妙な使い方をします。
それを見た右利きの人たちは、「はさみの使い方が変!」とか「ハサミの使い方が下手だ」と判断してしまうんです。
右利きの人の想像力の欠如、身勝手な感想です。
そもそも、右利きの人のために作られたはさみを、左利きの人が使いこなせていること自体、尊敬すべきことです。
もしも逆に、右利きの人が、「左利き専用」のはさみを渡されたら、とてもじゃないけど使いこなせないはずです。
左利きの人たちから見ると、右利きの人に都合の良い右利き専用の世界です。
まるで鏡の向こう側の世界と言ったら良いんでしょうか。
文字のことに話を戻せば、左利きの人は、本来であればノートの文字を「右から左に書く」のが、しっくりくる方法ですが、世間では一律にノートは「左から右に書く」と決められています。
世間は多数派の右利きに都合よく整った世界ですから、「左利きの人が字を書きやすい世界」とは言え無いということです。
2つ目の理由は指導の問題です。
あなたがもし右利きだったならば、左利きの小さな子供に字の書き方を教えてみてください。
利き手が逆になった途端、教えるのがとても難しくなります。
普通の指導者は左手で描いて見せることすらできないはずですから、左利きの子供が上手に字を書けるようになることは難しいと思いませんか?
「教える人が右利きであり、教え方が上手くない」そして「ノートの使い方も、右利きの人には見やすいけれど、左利きの人には見にくい」。
この2つの条件が重なってしまったら、左利きの人は「字を書くのが好きじゃない」と感じてしまうこともあります。
そうなれば、なおさら字は上達しませんので、左利き=字が下手だという評価になってしまうのかもしれませんね。
左利きの人が綺麗な字を書く良い練習方法は?
左利きの人が綺麗な字を書くためには、もっとも簡単な方法は、字の上手な「左利きの先生」から教わる事です。
元も子もない様に感じるかもしれませんが、身近に左利きで字の上手い人がいれば、その人に教わるのが一番です。
ただし、左利きの先生を見つけるのはなかなか難しいですよね。
そういう場合は、ペン字の練習帳を使用するのがおススメです。
最近はネットなどで簡単に手に入りますから、こういったものを積極的に使って練習しましょう。
右利きの人だと簡単に引ける「右上がりの横線」が左利きの人は書きにくく感じることが多いと思いますので、まずはここに気をつけて練習してみると良いかもしれませんね。
最近、ペン字の学習帳がなにやら人気のようです。
まとめ
もしもお子さまが左利きであり、字の書き方が独特であったり、字が上手くなかった場合は、叱らないようにしましょう。
左利きの子どもは、鏡の中のような造りの世界の中で、いろいろと苦労をしています。
厳しく叱られてしまうと、字の上達以前に「字を書くのがきらい!」と思ってしまう可能性が大です。
その子にとって最善の先生や、ちょうど良いテキストを見つけてあげることで、「字を書くのが好き」と思ってもらうことが出発点です。
左利きも「個性」と考えて、尊重してあげましょう。
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