桜のつぼみがぽつぽつと色づきはじめると、間もなく卒業シーズンの到来です。
大学や専門学校には制服がないため、着物やはかまを着る女学生がたくさんいて、卒業式はひときわ華やかになりますね。
今回のテーマは、卒業祝をくださった方への「お礼状」の書き方です。
今は、年賀状さえもメールやLINEで済ませる時代ですから字を書く機会はめっきり少なくなりましたね。
これまで支えてくださった方への感謝の気持ちを記したいけど、何を書けばいいのかわからない人は多いのではないでしょうか。
一行目から筆が止まってしまう人もいるかも知れません。
様々な例文や、迷いがちな部分の解説もしていきますので、ぜひ参考になさってくださいね。
素敵な便箋と封筒選び
「お礼状書かなくっちゃ…」「はぁ…。字を書くのって億劫だな…」
そんな気持ちで机に向かっても、文章は何も思い浮かばないかと思います。
まずは春らしい便箋や封筒を選んで、自分の気持ちを上げていきましょう。
おススメは、桃色や黄緑色など、春色の便箋です。
春を感じる可愛い手紙が届いたら、それだけで受け取った方も嬉しくなりますね。
字を書くのが苦手な人は、「和紙」の便箋を試してみてください。
つるつるした普通の便箋と比べて、和紙は厚手で素材がしっかりしているのが特長です。
字を書いてみると、ペンの先がすべらないので、筆圧をしっかり吸収してくれて、
字がおさまりやすいことがわかりますよ。
日付や名前はどこに書けば良い?
ビジネス文書では、便箋の右上に最初に日付・会社名・名前を入れるのが規定になっています。
でも、個人から個人に対する文章では、日付や名前は「文末に」入れるのが一般的です。
・平成〇〇年〇月〇日の次の行に、自分の名前をフルネームで書く
「〇日」のところには書いた日付を入れるのが基本ですが、相手によっては書いた日の「日柄」を気にする人もいます。
一番良い日は「大安」ですので、その日の日付で書くと良いでしょう。
日付と名前の知識を整理したところで、次はいよいよ本文を見ていきましょう。
お礼状の書き方
卒業祝や入学祝に対するお礼状は、「最初のすべり出し」に春らしい挨拶を入れると、読む人の気持ちも春めいてきて、嬉しくなります。
順序としては以下の通りとなります。
-
書き出しの挨拶
-
相手を気遣う言葉
-
お祝いをいただいたことへの感謝
-
自分の心境や近況
-
再度、相手を気遣う言葉
-
挨拶
-
日付+自分の名前
となります。
礼儀は「挨拶」に始まり、「挨拶」に終わるといいますね。
対面でも電話でも、そして手紙でも同じです。
お礼状の例文
書き出しの挨拶:例】
・暖かな春の日差しに恵まれ、心も和む毎日となりました。
・やわらかな春の日差しに、心も暖かく包まれるようです。
相手を気遣う言葉:例】
・その後はお変わりなくお過ごしでしょうか。
・その後もお変わりなくご活躍のことと存じます。
お祝いをいただいたことへの感謝】
・先日は、卒業のお祝いをいただき、誠にありがとうございました。
・先日は、〇〇(子供の名前)の卒業のお祝いをいただき、誠にありがとうございました。
自分の心境や近況】
・社会人になる身として、これまでのご支援のお言葉を胸に、努力してまいりたいと思っております。
・〇〇(子供の名前)は生物が好きなようですので、いただいたお祝いで図鑑を購入させていただきました。
★文章をふくらませるのであれば、さらに心境や近況をここでもう一言述べても構いません。
再度、相手を気遣う言葉】
・春になったとはいえ、朝晩はまだまだ冷え込みます。お身体には十分にお気をつけくださいませ。
・季節の変わりめは体調を崩される方もいらっしゃいますので、〇〇様もどうぞご自愛くださいませ。
挨拶】
・まずは書中にてお礼まで…。かしこ
・略式ながら書面にて失礼いたします。かしこ
・まずはお礼まで。かしこ
そして、日付と名前とを記述します。
なお、最後の挨拶で「かしこ」という言葉が出ていますが、これは文章における最後の挨拶文としてポピュラーなものです。
「敬具」じゃないの?と思われた人もいらっしゃるかも知れませんが、「敬具」を使いたい場合は、文章の先頭に「拝啓」を入れるのがルールとなります。
でも…「拝啓・敬具」や「かしこ」が堅苦しく感じる場合もありますね。
たとえば、お祝いをくださった方が親しくしている身内の叔父さんだった場合などは、急に改まった挨拶をすると、かえって距離を遠ざけているように感じることもあります。
そんな場合は、相手と自分とのこれまでの雰囲気や関係性に合わせて、「ありがとうございました」という言葉で最後を締めくくっても構いません。
まとめ
マナーは、迷ったときには「相手」に目を向けていきます。
すると、書きたいことも自然と溢れてきますし、最後の挨拶の言葉も「あの人なら、この言葉できっと大丈夫」という自信が沸いてきますよ。
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